退職代行サービスは本当に安全?利用時のトラブルを避ける方法を解説
会社を辞める手段として注目されている退職代行サービスですが安全に利用できるのでしょうか?
利用を検討している方の中には「利用時のトラブルは無いのか?」と心配される方も多いと思います。例えば業者とのトラブルや会社からの圧力、人間関係など気になるポイントはいくつもありますよね。
この記事では退職代行サービスに関わる具体的なトラブル例とその対処法について詳しく解説します。正しい知識を身につけることで不安を解消し安全に退職を進めるための参考にしてください。
退職代行の利用で発生するトラブルは?
退職代行サービスを利用して発生する主なトラブルの原因は大きく分けて「会社起因のトラブル」と「退職代行起因のトラブル」に分類されます。
この2つのトラブルの原因について具体的な事例をからそれぞれの原因と対処法を解説します。退職代行サービスを安心して利用するための参考にしてください。
退職する事を会社に拒否されてしまう
退職代行業者が退職意思を会社に伝えた時に、退職を拒否されてしまうことがあります。
退職代行業者に限らず自分で退職意思を伝えた時にも上司や同僚からしつこい引き止めにあったりひどい時には退職届を捨てられてしまったりということがあると思いますが、それと同じことが退職代行業者を通しても起きてしまうのです。
退職を拒否されたとしても民法第627条1項と第628条の内容から雇用期間に定めのない正社員の場合は退職の申し出から2週間、有期雇用契約の場合はやむを得ない事由をもとに退職することができます。
自分で退職の報告をして拒否されている場合や人手不足等で会社が退職届を受理しないことが想像できる場合には「退職成功率100%」を売りにしている経験豊富な退職代行業者を選ぶようにすることでトラブルを回避することができます。
有給休暇・退職金・未払い賃金の交渉ができない
退職代行サービスを利用する際には有給休暇を消化できない、退職金や未払い給与が支払われないといったトラブルが発生しやすいと言われています。
まず有給休暇についてです。
有給休暇は労働基準法第39条で認められた労働者の権利ですが、民間企業が運営する退職代行サービスに依頼した場合、代行業者には交渉権がないため有給休暇の取得交渉が行えません。その結果、退職の申し入れから退職日までの2週間が欠勤扱いとなり最終的な給与が減額されることがあります。
また退職金や未払い賃金に関しても問題が生じる場合があります。
労働基準法第24条では賃金の支払いが義務付けられていますが、労働者の権利を軽視する企業や経営が厳しい企業では支払いを拒否されるケースも見られます。これらの問題に対応するためには、会社との交渉が不可欠です。
有給休暇の消化や退職金、未払い賃金に関わるトラブルを避けるためには、弁護士や労働組合が運営する退職代行サービスを利用することが効果的です。弁護士や労働組合は会社との交渉権を持っており有給休暇や賃金に関する交渉を適切に行うことができます。
会社の人から直接電話がかかってくる
退職代行を利用した場合、会社から直接電話連絡がくることは基本的にありません。
まれに「自分が話せば辞めるのを引き止められる」といった誤解や「引き継ぎ内容を直接確認したい」という理由から会社側が直接電話をかけてくるケースがありますが、もし会社から直接電話がかかってきた場合はその電話に出て応答する必要はないので電話があった事を退職代行業者に相談しましょう。
対処法の詳細については過去の記事で具体的な事例とともに解説していますので参考にしてください。
損害賠償を請求されてしまう
退職代行サービスを利用したことで会社から損害賠償を請求すると脅されるケースがありますが退職代行を利用したこと自体で損害賠償を請求されることはありません。
なぜなら退職代行サービスを利用することが会社に直接的な損害を与える行為ではないからです。退職は法律で認められた権利であり正当な手続きに従って行われる限り損害賠償の対象にはなりません。
損害賠償請求のリスクとその防ぎ方について過去の記事でさらに詳しく解説していますので参考にしてください。
悪徳業者へ依頼してしまう
2018年以降「退職代行」というサービスが認知されてから退職代行業者は急増しています。しかし中には悪徳業者も存在するため十分な注意が必要です。
悪徳業者の中には料金支払い後に連絡が取れなくなったり弁護士や労働組合のみが許されている交渉(いわゆる非弁行為)を勝手に行いトラブルを引き起こす事例があります。こうした業者に依頼しないためにも利用を検討している業者の口コミや評判を事前に調べることが大切です。
また悪徳業者ではなくても退職代行業者の経験やスキルが不足している場合には退職手続きが途中で止まってしまうケースがあります。その場合、別の業者に再度依頼する必要が生じ無駄な出費を招く可能性があります。万が一退職に失敗した場合の返金規定についても事前に確認しておくと安心です。
信頼できる業者を選ぶために事前確認を徹底し評判の良い業者を選びましょう。
予想以上の費用を請求される
総額費用を確認しないで退職代行業者へ依頼してしまうと予想外の費用を請求されてしまうことがあります。特に賃金や有給の交渉を含むような依頼の場合には追加料金が発生する可能性があるので注意が必要です。
サービス内容による料金の違いについては過去記事で詳しく説明しているので参考にしてください。
使う前に対策をして失敗しないようにしよう
退職代行を利用する時のトラブルを避けるためには3つのポイントをおさえて確認・対策をしておきましょう。
業者のサービス内容・対応可能業務を確認する
交渉に関するトラブルを防ぐためには自分に必要なサービス内容を正確に把握し対応可能な業者に依頼することが重要です。
例えば未払い賃金の交渉や未取得の有給休暇を消化する際は労働組合や弁護士が運営するサービスを利用する必要があります。これらのサービスであれば法律に基づいて適切な対応が可能です。一方、費用が相場より安いという理由で民間企業のサービスに依頼すると交渉には対応できない場合があります。信頼できる業者を選ぶことで不必要なトラブルを避けましょう。
損害賠償リスクを減らす
損害賠償を請求されるリスクを減らすことはトラブルを防ぐための重要なポイントです。
退職時に業務の引き継ぎを怠ると後任者がスムーズに業務を進められず結果として会社に損害を与える恐れがあります。損害賠償リスクを回避するためには引き継ぎ書を丁寧に作成し業務内容や手順を詳細に記載しておくと良いでしょう。引き継ぎ書に主な業務内容、関連資料、連絡先の情報を含めることで後任者にとって役立つ資料となります。
さらに会社の機密情報を漏洩したり退職前後にSNSなどで会社に関する不適切な発言をすることも損害賠償請求の対象になる可能性があります。特に会社の名誉を傷つける行為は法的リスクを伴うため退職期間中は慎重な行動を心がけることが大切です。
失敗事例を確認しておく
依頼する業者を選ぶ際は実際に利用した方々の口コミを参考にして失敗事例を確認したり業者の公式サイトから対応実績を調べたりすることが重要です。
口コミを確認する手段としては「Googleマップ」の活用がおすすめです。Googleマップの検索欄に退職代行サービスの名前を入力するとその業者に関する口コミを一覧で確認できます。SNSと比べて効率的に確認できる点も便利ですので活用してみてください。
口コミを確認する際には良い口コミだけでなく悪い口コミにも目を向けることが大切です。特に失敗事例は悪い口コミに記載されることが多いため注意深く確認することで業者選びのリスクを減らすことができます。また口コミの内容が具体的で信頼できるかを見極めることもポイントです。
退職代行をうまく使えばトラブルは避けれれる
退職代行サービスは便利ですが会社の退職拒否や有給休暇の未消化、悪徳業者によるトラブルが起こる可能性があります。
トラブルを防ぐには弁護士や労働組合が運営する信頼できるサービスを選び、口コミを確認することが重要です。慎重に準備を整え、素敵な未来への一歩を踏み出しましょう。