退職代行サービスを利用する際の委任状の書き方と注意点!【委任状の例文付き】
退職代行サービスを利用して、スムーズかつ円満な退職を実現したいと考えていますか?
そんな退職代行サービスを利用する際には、「委任状」と呼ばれる重要な書類を作成する必要があります。退職代行サービスにおける委任状の書き方と、作成する際に注意すべき点について詳しく解説します。
委任状を正しく作成することで、トラブルを回避し、安心して退職代行サービスを利用することができます。
- 委任状とは何か?
- 委任状に記載すべき内容
- 委任状の書き方
- 委任状を作成する際の注意点
- 委任状のサンプル
この記事は、企業の採用担当者で当メディアの監修をしてくれている「KZさん」の話をヒヤリングして作成しています。
この記事の監修者
名前 / Name
KZ
実績 / Achievements
平成20年…リーマンショックの直前、派遣バブル真っ只中に関東地方の派遣会社に就職。リーマンショック後の暗黒期と令和2年の新型コロナウイルスによる雇用パニックを経験。採用関連の仕事に携わり勤続15年を超える。退職代行業者への対応をしている企業側の目線から良い退職代行業者の選び方や退職の方法を紹介をしています。
会社を辞める時には退職意志を自分で会社に伝える必要が有ります。
色々な理由により退職代行サービスを利用する場合には退職意思を退職代行サービスに伝えてもらいます。
その際、会社としてはたとえ退職代行サービスの業者だとしても本人以外からの退職意志を鵜呑みにする訳にはいきません。
もしかしたらいたずらや間違いの可能性も有るからです。
誰かが嫌がらせでやっている可能性もありますよね。企業としては事実誤認をしないために書面で委任状をもらう必要があります。
なので自分以外の第三者から退職意志を伝えてもらう際には本人からの委任状が必要となります。
委任状が有れば本人が第三者にこの内容の事を任せたという証明になるからです。
委任状がないと起こるトラブル
例えば、委任状が無い状態でその事に会社が気付かずに退職手続きが進んだとします。
ある程度の規模の会社の場合、退職手続きは通常複数名の人が連携して行います。
なので最初に報告を受けた担当者が委任状が無い状態で退職手続きを進めたとしてもどこかで誰かが委任状が無い事に気が付き手続きが中断してしまいます。
そうなると本来予定していたスケジュールでの退職手続きが出来なくなりその後の転職活動や求職活動に影響が出てしまう可能性が有ります。
退職代行サービスを利用するための委任状の具体的な書き方
委任状には基本情報をしっかりと書かないといけません。
基本情報というのは委任状を作成したのが誰なのか、誰に対して手続きを委任したのかという事を書く必要があります。
下に例文を載せておきますが作成者(委任する人)が誰なのかを明確にするために委任状の書き初めには「私、〇〇〇〇は、」という形で自分のフルネームを書くようににしましょう。
また委任状の最後には委任状の作成日、委任した人の住所(代行業者)、フルネームの3点も忘れずに書いておきましょう。
具体的な退職の理由は書いた方が良いのか?
有給休暇の申請書と同じで詳細については書く必要が有りませんので「一身上の都合」等でまとめてしまって大丈夫です。
退職代行サービスを使う時に具体的な退職理由が必要だとすれば会社と揉めて辞める時(未払い賃金の請求等)やパワハラやイジメが有ってそれが原因の退職で損害賠償請求等をする場合くらいです。更にそれは会社に直接伝えるのでは無く退職代行サービスの方に伝え交渉を代行してもらうので直接辞める会社に具体的な退職理由を伝える事はしなくて大丈夫です。
代理人の連絡先は絶対に書き忘れないこと
委任状には何を誰に委任した(任せた)のかと任せた人(代理人)の連絡先をしっかりと書いておきましょう。
うっかり書くのを忘れていると下記のようなトラブルの際に退職手続きが止まってしまいます。
トラブルになってしまうケース
退職代行サービスの流れとして最初に会社へ電話かメールで〇〇さんから退職代行を依頼されましたという連絡が入ります。
私が連絡をもらうときは100%電話で対応です。
通常はこの時に退職代行サービスの〇〇さんで連絡先は〇〇としっかり記録を残すのですが、忙しかったりうっかりしているとその記録を残し忘れてしまうようです。
後日退職書類一式が郵送で届き、電話で連絡はもらったものの代行業者の連絡先がわからないという状態になり仕方なく退職代行を利用した本人へ誰とやりとりしたら良いのか確認するしかなくなる。
本人と連絡がすぐに取れれば退職手続きをスムーズに進められますが連絡も取れないとなると次に退職代行サービスの方から連絡が来るまで手続きがストップしてしまいます。
こんな時に委任状に誰に任せたのかしっかり電話番号や住所が書いてあるとすぐに対応出来るので万が一に備えて任せた会社と担当者と連絡先は書いておくようにしましょう。
退職代行サービスへ渡す委任状の例文
実際に委任状に書くべきことを例文にしています。
委任状
私、〇〇〇〇(氏名フルネーム)は株式会社〇〇〇〇(辞める会社の正式名称)退職に伴う一切の手続きを〇〇〇〇(東京都新宿区〇〇1-2-3)(退職代行サービスの会社名と住所)へすべてお任せ致します。
令和〇年〇月〇日 〇〇〇〇(氏名フルネーム) 埼玉県さいたま市〇〇1-2-3(日付と氏名フルネームと住所)
委任状はできれば便箋を利用して手書きで書きましょう。
もしPCで作成する場合には最後の名前の横に押印するか手書きのサインを書きましょう。印影や自らの筆跡を残す事で自分が作成したものだという証拠が残ります。
委任状を作成する時の注意点
退職代行サービスを利用するだけでなら法律的に注意するポイントは有りませんが書いたおいた方がいい情報は2点です。
- 退職代行サービスの担当者名を記載する
代行業者の担当してくれる人を書くことで連絡がスムーズになる - 名前横の押印に実印を使用し印鑑証明を添付する
印鑑も手軽に買えてしまう為、本人が押印した証拠になる(必須ではない) - 退職代行業者は正式名称で書く
会社名は(株)海山商事では無く株式会社海山商事、退職代行サービスも正式な名称で記載しましょう。
委任状を提出する際、多くの場合郵送をすると思います。
この時、封筒に入れて切手を貼るだけの普通郵便で郵送せず配達記録が残る手段である「特定記録郵便」や「レターパック」を利用するようにしましょう。普通郵便では誤配送や紛失のリスクが有る為、配達記録を残す事で確実に相手に郵送出来ます。
退職代行業者を使うときはきちんと委任状を書こう
退職代行サービスを使って退職するためには、あなたが「業者を使っていますよ」ということを会社に知ってもらうために委任状が必要になります。
委任状がないと、本当に業者を使って退職しようとしているのか会社がわからないからです。
ほとんどの退職代行サービスでは、委任状のフォーマットを用意して対応してくれますがまれに委任状なしで対応をする業者さんがあるので、利用者側が必要な書類について知っておくことは自分を守るために必要です。
委任状のフォーマットや注意点を読んでぜひ活用してください。